中世英仏漫画 ししそん 第1章 4-1
オッサンしか出てこない驚異のページになってしまった
★縦書き本を読む要領で、読む順番は右→左です。
★画像が見づらい場合、新しいタブで開くと拡大表示できます。
《解説》
・時系列
前回の大反乱から7年後の1180年が舞台。
・フィリップの病気
フィリップは当時15歳。成人(14)を迎えたため戴冠式が予定されていたが、狩りの途中で道に迷い、二昼夜の間、食事もなく一人で森を彷徨った。のちに炭焼き職人が彼を発見したが、フィリップはすっかり憔悴し、命の危機を迎えていた。
ゴシック建築は見るのは大好きだけど描くのは嫌いだ……。それは置いておいて、カンタベリーはイングランドの宗教的な中心地で、同大司教は俗界の元締めである王に対して聖界の元締めとして、政治的にも重要な存在であった。実際、後述するトマス・ベケットやリチャード・ジョンに仕えたヒューバート・ウォルターなど、カンタベリー大司教には王の側近が任命された例が多い。
本作では省いているが、ルイ7世がカンタベリー詣でをした背景には、元カンタベリー大司教トマス・ベケット(ヘンリ2世の右腕だったが対立し殺害された)の導きがあったとされる。
ちなみにベケットは若ヘンリの家庭教師でもあったため、若ヘンリが父親に反発していたのには彼の死も関係しているとみられている。
・くたばりますように
ヘンリとアリエノールは息子の若ヘンリをフランス王女と結婚させることでフランス王位につけようとしていたが、フィリップの誕生によってそれが阻まれてしまった。ヘンリはフィリップについて、「アイツさえいなければ」くらいは思っていたかもしれない。