中世英仏漫画 ししそん 第1章 3-4
冬のライオンも舞台化することだし、こっそりアンジュー帝国史の普及を支援したい……!!
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《解説》
・悪魔の子孫
プランタジネット家は「悪魔の血族(Devil's brood)」と呼ばれることがある。暴力的なまでの怒りの発作、常に仲間割れを繰り返していたこと等に由来するそうだ。
同時代の聖者ベルナールは「彼らは悪魔より出で、悪魔に帰る」という言葉を残しており(13)、リチャード1世も「プランタジネット家の人々は悪魔の子であり、その獰猛性と喧嘩好きは生まれ持っての性癖である」と口癖のように言っており(14)、同家を悪魔と結びつけるのは、同時代でもポピュラーな認識だったようだ。
そしてこの「凶暴性」は彼らが悪魔の子孫だからだという伝説が生まれた。同家の祖先と言われている悪魔が、左3コマ目に登場しているメリュジーヌ。メリュジーヌ伝説のあらましは、だいたい以下の通り。
アンジュー伯フルクの妻メリュジーヌは美女だが、変わり者だった。親族や友人がおらず、教会でのミサにも出席しないのだ。
不審に思った夫のアンジュー伯は教会に騎士を待機させ、ミサの時間に抜け出そうとする彼女を妨害した。司祭が聖体を掲げると彼女は叫び声をあげ、窓から空に飛びあがった。彼女は4人いた子供のうち2人の子供を連れていき、二人がアンジュー伯のもとに残り、伯家を継いだのだという。