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中世英仏漫画 ししそん 第1章 9-2

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《解説》

・臣従礼

ボンムーランの会見ではリチャードがフィリップに対して臣従礼を行い、これがこの会見の要点。

リチャードはノルマンディー、アンジュー、ポワトゥー(アキテーヌ北部)などの領主としてフィリップに臣従を誓う。このことはつまり、ヘンリ2世の領主権の否定=父への反逆だった。

なお臣従礼の儀式は、家臣が両手を差し出してひざまずき、主君がそれを包み込むというもの(下図参照)。ちょっと絵的にシュールになるので省いてしまいました。

なお臣従礼はフランス語ではオマージュ。我々が日々使うオマージュの語源である。

en.wikipedia.org

・愛のネクストステージ

この回参照。

akahigerobin.hateblo.jp

・1188年のクリスマス

参考文献に上げたペルヌー氏の『リチャード獅子心王』では、リチャードはこの年パリで、フィリップとともにクリスマスを過ごしたと書いている。

ギリンガム氏らほかの著作ではリチャードの所在ははっきりしないが、少なくともヘンリのクリスマス宮廷に出席した王族はジョンのみで、リチャード・フィリップ陣営に身を投じた諸侯も欠席、わびしい宮廷になったようだ。