中世英仏漫画 ししそん 第1章 7-1
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《解説》
・全然駄目ってほどじゃない
リチャードには王子時代に設けた庶子がいるので、女性と没交渉だったわけではない。そして子供の名前はフィリップ なぜ……
・女性崇拝
前にも書いたようにアキテーヌでは宮廷詩や騎士道が栄えていたが、これらの文化では「貴婦人への崇拝」が重要な役割を果たしていた。実際に恋愛感情はなくとも、吟遊詩人たちは貴婦人に愛の歌を捧げ、騎士道でも、貴婦人に対する献身が美徳とされた。
こういう女性を尊ぶ文化はフィリップのホームグラウンドである北フランスにはなかったようである。(参(14))
・アリエノールと男たち
アンジュー伯ジョフロワはヘンリの父で、アリエノールは息子のヘンリより先に彼と関係を持っていた説もある。
アンティオキア公レイモンはアリエノールの叔父で、十字軍国家のアンティオキア公国の支配者。第2回十字軍が同公国に滞在中、アリエノールがレイモンと浮気したという噂が流れた。
サラディンってなんだよとツッコまれそうですが、当時、第2回十字軍中にアリエノールとサラディンが恋に落ちて……という創作物語が実際に書かれている。ちなみにこの時サラディンは10代の少年である。