中世英仏漫画 ししそん 第1章 2-3
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★本作品中の価値観は中世西欧のものを反映させておりますが、あくまで時代性の反映であり、特定のジェンダーを持つ方々を貶める意図はありません。
《解説》
・リチャード
のちの獅子心王(ライオンハート)。彼はアリエノールの最愛の子供で、「Great one」(英文書でしか読んでないので原語は不明)と呼んで可愛がっていたそうだ。
・アキテーヌ公
結局どっちがアキテーヌ公なの?という書き方ですが、名目上の公がアリエノール、実質上の公がリチャードという感じ。実際の統治はリチャードの采配に任されており、この点が実権のない若ヘンリをますますイライラさせていた。
・ポエム
アキテーヌでは吟遊詩人や宮廷詩の文化が発達し、リチャードも作詞作曲に優れた才能を持っていた。残ってる詩は「捕虜はつらいぜ」ソングと「お金がない」ソングだけだけど。
・槍試合
馬上槍試合(トゥルノワ、トーナメント)とも。騎士の模擬戦で、娯楽兼腕試しの場として若者たちが熱中していた。下ネタではない。
・宛先が野郎
リチャードは映画「冬のライオン」をはじめ同性愛者と書かれる・イメージされることが多いが、実際どうだったのかについては色々議論されている。(リチャードフィリップ元カレ説を知ったのもこの映画だったなぁ)
一番の論拠は「ソドムの罪」を懺悔したことだが、それが男色(Sodomy)を指すか否かという点で学会の意見は割れているようだ。庶子がいるので少なくとも完全な同性愛者ではなかったようだけど。
・ナバラ
ナバラはピレネー山脈の南にあるスペインの国。隣国として、アキテーヌとは深い関係にあった。同じ吟遊詩人文化圏でもあるため、王族(公族)同士も気が合ったと思われる。くわしくは第2章にて。