中世英仏漫画”ししそん” 第2章 2-1
リチャードの武装を描くのが大変めんどくさいのですが、恐ろしいことにこの先ほとんどこれなんだよな……。鎖帷子ブラシとかほしい。
★画像が見づらい場合、新しいタブで開くと拡大表示できます。
《解説》
・十字軍なんて
ジョンは騎士道や文学には余り縁がない育ち方をしてきたので、兄たちに比べて冷めていたんじゃないかなぁと想像(戦争も下手だし)。
ちなみにジョンの十字軍参加について。以前も書いたように、1187年、リチャードは十字軍への参加を決めた。しかし当時は後継者問題をめぐって父ヘンリ2世と揉めている最中。リチャードは自分の不在中、父がジョンを後継者にしてしまうのを恐れ、ジョンもともに十字軍に参加するよう求めたのである。
なおリチャードに代替わり後、ジョンは兄の後継者になったので、十字軍に参加する必要はなくなった。
・リチャードとイングランド
「プランタジネット朝のイングランド王」と紹介されがちなヘンリ2世やリチャード1世だが、何度も強調してきたように、彼らはフランスの領地に帰属意識を持つ「フランス貴族」である。
リチャードのイングランドに対する認識もあくまで「豊かな財源」というくらいのものだったようで(参考文献(12))、「買い手がいれば、ロンドンを売ってもいい」と言ったのも史実である。彼は十字軍の財源捻出のため土地や官職などあらゆるものを売りまくった。
それにしてもリチャード1世って、イングランドには10年の治世で4か月しか滞在してないし愛着もないし英語も話せないし戦争や築城のため重税かけまくったりロンドンまで売ろうとしたくせに現地では人気者なんだよな。戦争強けりゃ全部チャラになるのか……(なおジョン)。