中世英仏漫画 ししそん 第1章 5-1
十字軍とか見てても思うけど、リチャードには人様のメンツを立てるという発想がつくづくないよね……。上司ならいいけど同僚や部下にはしたくないタイプだ。
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《解説》
・時系列
時期は1182年。若ヘンリは相変わらず実権がないうえに、妻マルグリットと武術指南のウィリアム・マーシャル(後で出てきます)が浮気したという噂も流れて、荒れに荒れていた(参考文献(4))。これに収拾をつけるべく、ヘンリは息子たちを集め、長男且つ後継者である若ヘンリに臣従を誓うようリチャード・ジェフリーに要求した。
・土地なし
この時はアイルランドがジョンに与えられる予定になっていたので、厳密にいうと土地なしではなかったりする(まあ、実際に支配してた土地はないけど)。
ちなみにジョンは当時イングランドで暮らしていたので、本当はこの場にはいない。
・僕は別に…
ジェフリーの治めていたブルターニュはヘンリが併合した土地なので、イングランド王・ノルマンディー公の宗主下にあった。よって、ヘンリ(父)の主張にも正当性があるのだ。
・リチャードの反論
リチャード曰く、「アキテーヌ公の上位者はフランス王だけ。だから父の要求に従う道理はない」。まぁ確かにそうなんだけど、若ヘンリ絡みでこれだけトラブルが続いてるんだから、表向きだけでも認めてやれよとちょっと思う。
とはいえ臣従礼をする=主君として領地に口出しするのを認める、ということになるので、曲者ぞろいのアキテーヌ諸侯と戦いながら統治に苦労してきたリチャードとしては認めがたかったんだろう。
・若ヘンリV.S.リチャード
このあと二人は開戦するが、実際はリチャードがアキテーヌに引っ込む前に
リ「はいはい臣従礼すればいいんだろ!してやるよ文句あっか!」
若「はぁ?お前なんかに臣従礼される筋合いないし!受け付けませ~んざまぁみろ!」
というお子様かあんたらレベルのやり取りがあった。これだからプランタジネット家は面白いんだぜ!
・空気は読まない
のちの十字軍でいかんなく発揮される特技である。