中世英仏漫画 ししそん 第1章 3-2
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《解説》
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リチャードとフィリップの初対面がいつかははっきり分からないが、George Dubyの France in the Middle Ages 987-1460 によると、モンミライユの会見(1169)時に若ヘンリ、リチャード、ジェフリーの3人が当時4歳のフィリップに臣従礼をしたとあるので、この時かも。
しかしカペー家にとってのプランタジネット家って、王国最大の諸侯で別れた妻の再婚先でしかも娘の嫁ぎ先で……腐れ縁という表現がぴったり。勢力の大きさだけに無視できなかったんだろうけど。
・クソガキ
前回に引き続きフィリップがひどいクソガキですが、フィリップ2世は実際礼儀知らずなお子様だったらしく、後見人のフランドル伯もなんとか礼儀作法を教えようとしたそうだ。
フランスで発行されているフィリップの伝記漫画でもそんな感じのシーンがあるけど、そもそものソースは不明。
この絵なんかじわじわ来る。
・パパっ子
本作におけるフィリップはファザコン気味に描いているが、年代記作家ホヴデンのロジャーが即位後の政敵粛清を「父親と仲が良かった者たちを排除した」と表現しているのが一応の元ネタ。彼がアリエノールに対して個人的にどんな感情を持っていたかは不明。ちなみに父子家庭っぽい描き方だが母親は存命。