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歴史関連のイラストや漫画、コラムなど。好きな分野は中世英仏、絶対王政、イスラーム、中国王朝。

中世英仏漫画 ししそん 第1章 1-3

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《解説》

主君

中世西欧の支配階級の秩序は、いわゆる封建制(封建的主従関係)」で成り立っていた。 

封建制はあちこちの国にあるが、基本的には土地を媒介にした主従関係を指し、中世西欧では主君が家臣に封土(領地)を与え、家臣が軍役を果たす関係が成り立っていた(この点、日本の「御恩と奉公」に似ている)。これから何度も出てくる「臣従礼」はこの君臣関係を受け入れる行為を指している。

なお家臣が背いた場合、主君は忠誠義務違反を理由に領地を没収することも出来た。ただし、実現できるかどうかは主君側の実力次第。この頃のカペー家は主君とはいえ名義上の主君に過ぎず、力は諸侯たちの方が強かった。

ちなみに日本の封建制との違いは、

(1)主従関係はあくまで君臣間の「契約」で家臣からも主従関係を破棄できる

(2)複数の主君に仕えるのも可能

(3)軍役に40日間という日限が決まっている

などなど。

お祈り好き

もともと聖職者になる予定だったこともあり、ルイはとても敬虔な人物だった。しかしそれだけでなく、カペー家は力の弱さを補うために教会の権威を利用しており、「聖なる王」のイメージを作り出すことで各諸侯国に対し優位に立っていた。

例えばルイ9世をはじめカペー朝の歴代国王が十字軍に積極的だったのもこの方針に由来する。

・早めに引退

1-2で書いた通り若ヘンリは父の領地を共同統治することになっていたが、実際は何も実権を与えられず不満をくすぶらせていた。ちなみにこの時若ヘンリは18歳、ヘンリはそれより早い17歳でノルマンディー公になっている。

・領土を分配

1169年のモンミライユの和約では、アンジュー帝国を分割統治することが定められ、ヘンリの3人の息子(ヘンリ、リチャード、ジェフリー)が各国の領主としてルイ7世に臣従を誓った。

・神の贈り物

3度の結婚を経てようやく生まれたフィリップは、Dieudonne(=神の贈り物)というあだ名で呼ばれていた。

・幽閉

フィリップ2世の生涯をご存じの方なら納得の発言。ちなみにこの後ヘンリもアリエノールを幽閉しており、アキテーヌを確保したいだけなら確かに有効な手段ではある。それでもその方法を取らなかったのは、やはり男子を得ることが最優先事項だったからと考えられている。